

各話解説
第13話「リバイバル」
キョウヤがリュウジ殺害犯としてフウコに目を付ける中、ナナは体調が回復したミチルから、過去の話を聞く。「どんな人でも助けなきゃ」と強く誓うミチルと、“委員会”から送られてきたデータとの差に苦しむナナ。第13話では、そんなナナをよそに、リュウジ殺害犯が新たな動きを起こす!
ナナを励ますミチルの推理
部屋に戻ったナナのもとを、ミチルが訪れる。 訝しがるナナ。しかし、ミチルが伝えたかったのは、彼女の行動ではなく、過去のことだった。


両親が亡くなった日の朝のことを思い出してほしい。 疑問を抱えるナナに、ミチルは次々と質問をぶつけていく。

子供部屋を出たときに、何かを踏みつけなかったか。 足の裏が痛いと思わなかったか。 踏みつけたりしないように、気を配った覚えはないか――。

そう。ミチルのぶつけた疑問――それは、ナナが両親の死に関わっていない証明。 足の踏み場もないくらいに部屋を散らかして漫画雑誌を買いに行き、 開いた窓から「人類の敵」が忍び込んで両親を殺害したのであれば、 部屋は散らかったままのはず。

しかし、翌朝部屋を出たナナは、何も踏みつけたりはしなかった。 部屋は片付けられていたのだ!

部屋の片付けまでしてくれたのだから、窓の鍵だって閉めたはず。 そう主張するミチルに、ナナは「だらしなくて不用心だった事実は揺るがない」と譲らない。


そんなナナに、ミチルは叫ぶ。 「それでも、ナナしゃんのせいじゃないです!」

その剣幕に押されるように、ミチルの慰めにナナの心が解けていく……。

謎の呼び出しを受けたミチル
翌日、島にバザーがやってきた。 「ともだち」という言葉をどう受け止めていいのか、困惑するナナ。 ぼんやりするナナに、リュウジ殺害犯を探し続けていたキョウヤが声をかける。


「そろそろ犯人を詰めようと思う」

証拠がないままに、犯人を追い詰めようとするキョウヤに、ナナは慎重にと訴える。 しぶしぶ了承したキョウヤだが、犯人の動機がわからないため、次の被害者が出ないよう警戒し続ける。

夕方、ナナはミチルにシャープペンシルをプレゼントし、ミチルから枕をプレゼントされる。 このまま友人として、穏やかな関係が築かれるかと思っていた矢先、 ナナのもとをジンが訪れる。


ジンは、ミチルが海岸に向かう小道を一人で歩いていたこと、「内密な話がある」と呼び出されたことをナナに告げる。


ミチルは殺人鬼に呼び出されたのかも知れない……。 しかし、能力の詳細がわからぬまま、飛び込んでいくのは危険だ。 ならばとナナが選んだ相手――それはキョウヤだった。


ナナを守り通したミチルは……
一人、呼び出した人間を待っていたミチルを、突然何かが襲う。 相手の姿が見えないまま、頬に傷を付けられるミチル。

「キレイなものを汚したい」 「キレイっていうことを馬鹿にしたり踏みにじったりすると、自分に個性が感じられる」

そう言う何者かは、ミチルにさらに悪意の刃を向ける。 ミチルのもとへと向かっていたナナのもとに、一本の電話が入る。 その相手は「鶴岡」。

鶴岡から「為すべきことをなせ」と言われたナナは、まるでミチルと知り合う前のように、冷たい笑顔を浮かべる。 「人類の敵同士が殺し合うなら好都合だ」と。

一方、悪意ある者から逃げていたミチルは、ナナを「薄汚い」と言われ激昂。 そんなミチルにさらなる刃が向く!

ところが、刃がミチルに届く前に、ナナが現れた! 刃を背で受けたナナだったが、冷静にリュウジ殺害犯の推理を聞かせる。

モグオの子分でモグオリサイタルを聞いていた一人、 鶴見川レンタロウこそが、リュウジを殺害した犯人だったのだ!


レンタロウはモグオの説教を聞いているフリをして幽体離脱をし、 隣の部屋のリュウジを襲ったのだ。 ミチルを逃がそうとしたナナは、次なる刃を自らの身で受ける。 ためらうミチルにナナは言葉をぶつける。


「お前みたいな偽善者は大っ嫌いだ!」

ナナの言葉に押されるようにその場を離れたミチル。 レンタロウは、傷付いても余裕の笑みを浮かべるナナに動揺する。


しかし、これは時間稼ぎ。 幽体離脱をしているなら、本体はどこかにいるはず。 キョウヤに頼んで、レンタロウの本体を探し出してもらっていたのだ。

レンタロウの幽体が本体に戻り、一人取り残されたナナ。 死を感じるナナだったが、そこに逃げたはずのミチルが戻ってくる。


自分の身体の不調を押して、「ヒーリング」能力をナナに使うミチル。 「ナナしゃんを、返してください!」

――その思いは、確かに通じた。 ナナは、静かに海を見る。 そして、振り返った先には――もう動かないミチルの姿。


能力の代償として寿命を使い切ったミチルは、笑顔を浮かべてその命を終えていた。 ナナは、ただミチルにすがって泣きじゃくることしかできなかった……。

リュウジ殺害犯は見付かり、ナナの命も救われた。 しかし、ミチルはもう帰ってこない。 ただ悲痛なままに、『無能なナナ』のアニメは幕を下ろす。
各話解説
第12話「見えざる刃 PART3」
リュウジ殺害犯を探すキョウヤと、ミチルの様子がおかしい原因を探ろうとするナナ。それぞれ別行動をする二人は、目的を果たすことができるのか。本当にリュウジを殺したのはキョウヤが推理するフウコなのか。そしてミチルはいったい何を隠しているのか。クライマックス目前の第12話が幕を開ける!
ミチルを助けるために奔走するナナ
風呂場で倒れていたミチルを助けたナナ。このまま放っておけば勝手に死ぬのでは、と思い悩むも、怪しげな顔をしていた理由を問いたださねばならないと自分に言い聞かせ、彼女のために行動を始める。


島に常駐しているはずの医師は本土に帰ってしまい、頼れるのはキョウヤだけ。 薬をわけてもらい、水や食料を手にするために奔走する。


リュウジの死体を解剖していたキョウヤがミチルの診察に現れた。 しかし、原因はわからないまま。 意識が混濁したミチルに、ナナは必死に呼びかける。


一方、ミチルの部屋から退出したキョウヤは、子分達の部屋を捜索。 そこで、子分Aから、学校の近くで首を切られた小動物の死体を見かけたという話を聞く。


ナナに「人類の敵」抹殺を命令した“委員会”の男・鶴岡
ナナの看病の甲斐もあり、熱が下がったミチルがついに目覚めた! ミチルはケガをしたネコを見かけ、その治療に能力を使ったため、体力を消耗したらしい。


ナナの指のケガに気づき、能力を使おうとするミチルに、思わずナナは激怒。


しかし、その後髪が乱れたナナとミチルは、笑い合うまでに心を許しあった。

その頃ジンは、森の中で殺されたウサギを見付けていた。 殺した何者かに対し、動物をいたぶるのをやめるように告げるジン。

彼は、ナナのことについても推理を巡らせていた。 電話がつながらない端末を、ナナに与えた者は? 推定殺害人数などという、意味のない数字の羅列を与えたのは?

それは――。 “委員会”に所属する「鶴岡」という名の男だった!

ミチルと「人類の敵」の間で揺れ動くナナ
鶴岡という男が島に視察に行く予定と知らず、島ではリュウジ殺害の犯人探しが続く。 キョウヤはモグオの子分達に聞き込みをし、ナナはミチルの看病を続ける。


部屋を離れようとしたナナは、ミチルに呼び止められ、一緒にゲームをすることに。 そこで、ナナはミチルに問う。

「どうしてそんなにいい人なんですか?」 ミチルは、ナナに過去の出来事を語る。 ミチルは、島に来る前、女の子に人気のある男子に能力を使ってしまい、それ以来、彼女たちからいじめられるようになっていた。 落ち込むミチルを励ましてくれたのが、ヒトミという少女だった。


実はミチルとは同じ学校だったヒトミは、いじめられるミチルをかばい、励ましてくれた。 しかし、彼女はがんに侵されていたのだ。


病気に耐えながらも、誰かのために何かをしようとするヒトミの姿を見ていたミチル。 ほどなくして亡くなるヒトミに自分は何もできなかった。

だから、ミチルは言うのだ。「がんばるんです」と。

その言葉を聞き、ミチルの部屋から立ち去ったナナ。 「推定殺害人数十五万人」

端末が示すミチルの危険度と、ナナが接してきたミチルのやさしさが、ナナを苦しめるのだった――。

リュウジ殺害犯は見付からないまま、心を揺り動かされ続けるナナ。 この先、ナナは“委員会”の命令のままに、「人類の敵」を殺していけるのか。 最終話となる第13話では衝撃の出来事がナナを襲う!
各話解説
第11話「見えざる刃 PART2」
クラスメートの石井リュウジが何者かに殺害された。ミチルと朝まで一緒にいたナナにはアリバイがある。犯人は……そしてその目的は……? 残されたわずかな手がかりを頼りに、キョウヤは犯人を特定しようとする。一方、「人類の敵」に両親が殺されたことをミチルに明かしてしまったナナ。彼女の心境にに変化が……? 緊迫の第11話。ナナとキョウヤは、殺人者を見付けることができるのか。
リュウジの部屋に犯人の手がかりが?
リュウジが殺されていたのは寮の自室。隣はモグオの部屋だ。 モグオは在室していたものの、子分達に説教をする“モグオリサイタル”を開いており、物音には気づかなかったと証言。 子分達も、モグオの説教を集中して聞いており、隣室の異常には気づかなかったと語る。


リュウジの死体を発見したのは、恋人のフウコ。 彼女が朝、一緒に登校しようと部屋を訪れて、凄惨な現場に遭遇したのだ。

キョウヤは、第一発見者であるフウコに疑いを抱き、彼女の能力を知りたがる。 フウコの能力は「大気を操って圧縮し、人に刃のようにぶつけるもの」。 不老不死の能力を持つキョウヤは、身をもってその能力を体験。 フウコの能力は風通しのよい場所でないと使えないとの話だが、現場の窓が開け放たれていたことも思い出す。


そんな中、キョウヤのところへ担任教師がやってくる。 電話がつながったので、役人連中に抗議をしようというのだ。

ミチルがナナの正体に気づく……?
キョウヤから「現場を荒らすな」と釘を刺されたナナは、キョウヤがいない間も自分なりに犯人の痕跡を探そうとする。 ところが、一緒にいたミチルの様子がおかしい。

急に将来の話をし始めたり、ナナの卒業後を気づかったり……。


無邪気に話すミチルにいらだちを覚え、感情を露わにしてしまったナナ。

その後、部屋に戻っていたナナのところへ、担任教師が新しい制服を持ってくる。 ジンとのやりとりで、以前の制服は破れてしまっていたからだ。


しかし、ナナはそこで気づく。 ジンに使った毒薬の入った小瓶がないと……!

ミチルの様子がおかしかったのは、毒の小瓶に気づいたからに違いない!

犯人はいまだ見付からないまま、ミチルに異変が!
動揺するナナの前に、キョウヤが現れる。 彼のもとを訪れたミチルの様子から、ナナとミチルがケンカをしているのでは、と感じたのだ。 ナナは、ミチルが毒薬のことをキョウヤに相談しようとしたのだと推理。 “お偉いさん”が視察にやってくると知り、それまでになるべく多く「人類の敵」を殺しておくことを誓う。

しかし、すぐに行動に移すわけにはいかない。 まずはリュウジ殺害の犯人を見付けなければ。 ナナはキョウヤとともに、第一発見者・フウコのもとを訪れる。 彼女のアリバイ、最近のリュウジについて問うと、フウコは伝聞調でしか語らない。 最近はリュウジと疎遠になっていたのだ。


話を聞き終えたナナとキョウヤは、それぞれに推理を展開。 キョウヤは言う。 リュウジが殺されたのは“モグオリサイタル”の最中。 毛穴サイズまで自分の身体を縮められるリュウジを殺すには、不意打ちをするしかない。 恋人であるフウコこそが、そのチャンスがあったのだと。


動機を探ろうとするキョウヤと別れ、ナナはミチルを詰めようと部屋を訪れる。 風呂に入っているのを好機として、部屋の中を調べるが、小瓶は見付からない。 見付けた日記には、ナナを思う気持ちばかりが書かれていた。


ミチルは小瓶を隠しているのではないのか……。 そう思っていたナナのもとに、ジンが小瓶を持って現れる。 そして、ナナに言う。


「彼女、ずいぶんとお風呂が長くないかね?」

慌てたナナが風呂場をのぞくと、そこには気を失ったミチルの姿があった……!

リュウジを殺した犯人は? ミチルは何を隠しているのか? そして、ミチルが気を失った理由は? 多くの謎を抱えたまま、物語は第12話へ……!
各話解説
第10話「見えざる刃」
キョウヤの追求を切り抜けたナナの前に現れたのは、この学園の先輩にあたる能力者だという橘ジン。彼は、5年前に島を訪れ、同期は全員殺し合いの末、死んでしまったと語る。取り引きを持ちかけるジンを警戒するナナだったが、ジンは相手の姿形だけでなく能力までもコピーできるという脅威の能力者だった! 翻弄されるナナに、第10話ではさらなる事件が迫る!
ジンに語るナナの過去
追い詰められながらも、ジンの弱点を探そうとするナナ。 モグオをコピーしたジンの「炎を操る能力」によって、大やけどを負うことになってもなお、ジンに屈することなく次の手立てを探そうとするのだった。


ジンはそんなナナに、家族構成を語るように提案する。 ジンはナナを気に入っており、ナナのことを知りたいと言う。 5年前、相手のことを知りもせずに殺した過ちを繰り返したくないとも。

ナナは、誰にも伝えていなかった家族のことを語る。 両親と、年の離れた兄がいたこと。 兄はナナが物心つく前に家を出て、 両親は――「人類の敵」に殺されてしまったのだ、と。

淡々と、眉一つ動かさずに過去を語り、倒れてしまうナナ。 そんなナナに、ジンは一つだけアドバイスをする。


「うぬぼれの強い子が集まる島に死体が出ると、おかしな子が増えてくるよ」 「殺人鬼は君だけではないかも知れない」
ナナの過去を知りたがるミチルの目的
ナナが目を覚ますと、そこはミチルの部屋だった。 ミチルの部屋の前で倒れていたナナを、ずっと看病してくれていたのだ。

こういうときのためにミチルを生かしている。 心の中でミチルを突き放したように見ているナナだが、 そんなこととは知らず、ミチルはナナに問う。

「人類の敵が怖くないんですか?」

「怖くなんてないですよ」 ナナの心にあるのは、両親を殺した人類の敵への復讐。 ナナは、その強い思いからミチルに両親が殺されてしまったことを漏らしてしまうも、それすらも利用してしまおうと考える。


ナナの両親の悲劇を知ったミチルは、ナナの力になりたいと持ち掛ける。 そんなミチルに、ナナは語った。 ナナが幼いころ、自宅に強盗が入ってきて、両親はその強盗に殺されたと。

「両親が殺されたのは、わたしのせいなんです」

ミチルはナナの家族のことをより知りたがり、ユウカ、シンジ、カオリの葬儀のあと、ナナの部屋を訪ねてくる。


両親が殺されたのは自分のせいだと言っていた理由を気にしていたのだ。 ナナは渋々ながら過去を語ることにする。
新たな死体
子どもの頃のナナは、囲碁やチェス、将棋が好きな子どもだった。 そして、片付けをしないという悪癖があった。


ある日の夜、漫画雑誌がいち早く発売されるコンビニにこっそり家を抜け出して向かったナナは窓の鍵をかけ忘れてしまった。その子供部屋から強盗に化けた人類の敵が侵入したらしいのだ。


もし、自分がきちんと戸締まりをしていたら……。 自分を責めるナナを、励ますように手を取るミチル。


翌朝、ナナが目覚めるとミチルが深く考え込む姿をしていた。 声をかけようとしたところに、突然キョウヤが現れる。 ナナとミチルがキョウヤに連れられて向かった先は、男子寮。


その一室でナナが見たのは、部屋の主・石井リュウジが殺害された姿だった。

ナナは犯人ではない。 ではいったい誰が……?


橘の言ったとおり、「おかしな子」が登場したのか。

いまだナナを疑っているキョウヤを前に、ナナは――? 第11話では、ナナとキョウヤが石井リュウジ殺害犯を捜索する。
各話解説
第9話「適者生存」
キョウヤの追求をかわすため、森で出会ったキララ、そして彼女の友人・カオリを手にかけたナナ。二人が持っていた携帯電話を使ってアリバイを作ろうとしたナナだったが、その工作はすべてキョウヤに見抜かれていた!? 第9話で、ついにナナがキョウヤに敗北!?
ハイリスク、ハイリターンを求めたナナ
カオリのスマートフォンにメッセージを送ったのはナナだ。 そう信じるキョウヤは、ナナの身体検査をしたが、 どこからも携帯電話は出てこなかった。


キョウヤの推理は、確かにナナの考えた選択肢の一つではあった。 しかしナナは、自分とキララの接点である携帯電話の処分と、 カオリが殺害されたときのアリバイ作りを同時に行っていたのだ。


ナナは自分でキララの携帯電話を持つことを避け、 ゾンビが朝日を浴びると溶けることを利用し、 溶けたゾンビの指が、スマートフォンの送信ボタンを押すように森に設置していた。

もちろん、動物や虫が勝手に携帯電話を動かしたり、 森を捜索した際、キョウヤがスマートフォンを見つけてしまうリスクもあった。 しかし、リスクが高いからこそ、リターンも大きい。 見事、キョウヤの目をかわせたナナは、完全なるアリバイを手に入れたのだ。


ナナを脅迫するミチルの目的は……?
これで安全地帯に逃れられたかに思われたナナ。 そんなナナの前に現れたのはミチル。

これまでナナを慕い、かばい、信頼してきたミチルだったが、 突然、彼女がナナの首元にカッターを突きつけてくる。


ミチルは、ナナの本当の能力を知りたがる。 ミチルの変貌に驚きながらもナナはミチルを牽制し、なんとかカッターを離すことに成功。


しかし、ミチルは動揺することなくナナに告げる。 「みんなに君が嘘つきだとわからせた、その場を君がどう切り抜けるのか見てみたい」と。

ミチルがナナを陥れようとしているとはクラスの誰も思わない。 その事実を突きつけられて、ナナは歯がみをするしかなかった。

翌日、ミチルはクラスメートの前でプレゼントの中身を当ててほしいとナナに迫る。 無能力であるナナは、そのときはなんとか切り返すが、 ミチルは、何度もプレゼントの中身を聞いて、脅してくる。


いつまでも言い訳が続くわけがない――。 ナナは、そんなミチルに対し、新たな策を練って挑む。 ミチルのプレゼントの中身を「メッセージカード」だと答えるナナ。 しかし実際の中身は「入浴剤」。ナナの答えは外れる。 しかし、ナナは動揺することなく、「ナナしゃん大好き」という声が聞こえたのだと告げる。


ナナは事前にミチルの背中に「ナナしゃん大好き」と書いたメモを貼っておいたのだ。 クラスメートたちがそれを心で読み上げ、それが聞こえたと言うことで、ナナはその場を乗り切ることに成功した。

先輩能力者・橘ジン
放課後。 ヒーリング能力を持つはずのミチルが手にケガをしていた。 その事に気付き、自分を陥れようとしたミチルは偽物であると気づき、その正体に迫るナナ。 そんなナナの前に、ミチルに変身していた橘ジンが姿を見せる。


橘は、彼曰く「ナナたちの先輩にあたる能力者」。 ナナと取り引きがしたいと持ちかけ、まず自分の正体を明かしはじめる。

橘はナナたちと同じように5年前に島にやってきた。 当然、当時集められたのも能力者の生徒たち。 しかし、そんな彼らは、ある日殺し合いを始めてしまった。 しかも、教官たちは早々に島を撤退。 殺し合いは激化し、自在に姿を変化できる橘だけが生き残った。


橘はその後、自分が生きていると困る人間がいることを知る。 そして、殺し合いの背景に国家的な陰謀があったのではないかと疑念を抱き、 新たな生徒たちが呼び寄せられた島に戻ったのだ。 ナナが何故殺人を犯すのかを知りたい橘は、ナナを泳がせようとする。 もしナナが話をするのを断れば、後輩たちのためにナナだけは殺すと宣言して。


そんな彼に対し、ナナは得体の知れない橘を始末しようとコーヒーに毒を入れる。 そして「委員会」に橘の存在を報告しようとするが……。


そこに突如現れたのは、キョウヤだった! ミチルに、セイヤに、本来そこにいるはずのない人物が次々と姿を見せる。



キョウヤの姿になり、不老不死の能力を使って毒を無効化したのだ。 姿形だけでなく、能力者の能力までもコピーできる。 それこそが、橘の「真の能力」だった――。

本物の「人類の敵(バケモノ)」を目の前にしたナナ。 かつてない動揺が走る――!

絶対的な強者である橘とナナが対峙する第10話を見逃すな!
各話解説
第8話「能力者VS.無能力者 PART3」
ユウカから逃げる最中に、森に生徒や教師の死体があることを知ったナナ。島には何か自分の知らない事実があるのではと思いつつ、「委員会」の言うことに間違いはないと信じてユウカを葬り去ることに成功した。次々と自分に関わった人間が死んでいくことになり、今後キョウヤからかけられるであろう嫌疑をどうかわすかを考え始めるナナ。第8話では、完全なアリバイ作りを目論む。
死を利用したアリバイ作り
ユウカと問答をした崖から帰る途中、クラスメートの羽生キララと出会ったナナ。 キララは「唾液を毒にできる」能力者だ。


本来であれば、自分の脅威にならないキララを殺す優先度は低いが、 ナナは、キララが持つ携帯電話と、彼女の友人・カオリとの関係を利用して、 自分のアリバイ作りを計画する。

キララは、カオリから勝手にカラーコンタクト借りたことで、彼女とトラブルになっていた。 そこでナナはまず、キララを毒針で刺して脅迫し、キララの携帯電話のロックナンバーを聞き出す。キララを放置して死に至らしめたあと、キララがカオリから借りていたコンタクトケースに毒を入れて、カオリの部屋に戻す。 キララが改心してコンタクトケースを返却したように見せかけるため、キララの携帯電話でカオリに謝罪のメッセージを送る。 メッセージを見て、カオリが自室に戻ってきたコンタクトを付けると目から毒が入り込み、死に至るという仕組みだ。


キララのフリをしてカオリにメッセージを送り、メッセージの送信時間に、自分にアリバイがあれば、キョウヤの疑惑をかわせるはずだ――。
ユウカの死に関わっていることを自ら告白
仕掛けを終えたあと、キョウヤから昨日学校に来ていなかった理由を尋ねられたナナ。 ユウカを自分が“死なせてしまった”と告げ、 本当はユウカが「ネクロマンシ―の能力者」でシンジを殺し操っていたこと、 ヒミツを暴かれたユウカが自分を襲ってきたこと、」 そして、最後には自責の念で崖から飛び降りたと説明する。


ユウカが自分を襲ったのは、人の弱い心につけこみ、身体を乗っ取ってしまうタイプの「人類の敵」のせい。 そう言うナナに、みんなは納得する。

しかし、キョウヤだけは、 「誰かが死ぬとき、いつも柊の所在は不明だ」と ナナへの疑念を隠さずぶつけてくる。

そこに響き渡ったのが、女生徒の悲鳴だった。
キョウヤの徹底的な追求の結果は……
カオリが部屋で死んでいるのが見つかったのだ。 キョウヤは、死体の状態から、死後約2時間以内と推測。 その時間、ずっとナナはキョウヤと一緒にいた……。 ナナの所在が明らかな時に人が死んだのだ。

キョウヤはそれでもナナへの疑念を解かない。 午前中、学校にいなかったナナなら、カオリの部屋に忍び込んで、毒入りのコンタクトケースを仕掛けることができる、と。


行方不明になったキララが犯人である説も考えられるが、 それでもキョウヤはナナを追い、三人の接点を探ろうとする。 カオリの部屋で「ナナのとある行動」に気づいていたキョウヤは、「カオリとも仲良くしていたんだろう」と鎌をかける。

カオリの部屋の窓は、取っ手のある側の立て付けが悪く開かなくなっていた。 カオリの死後、窓を開けるよう言われたナナは、毒入りコンタクトケースを仕掛けた際に、窓の立て付けについて知っていたため、ためらいなく取っ手のないほうを開けていた。 この部屋に入ったことがない人間ならば、取っ手のある側の窓を開けるはずなのに。 キョウヤは、その疑問をナナにぶつけたのだ。


キョウヤはコンタクトケースに入っていた毒を飲み、苦しみながらも、自分の行動を観察していたのだ。不老不死であるキョウヤの無限の体力と精神力におののくナナ。 そこに助け船を出したのは、ミチルだった。

カオリの携帯電話に残されたキララからのメッセージの送信時間が、 ナナとキョウヤと一緒に森にいた時間だったのだ。

しかし、キョウヤはそれを見て、ナナが犯人だと確信を得る。 そして、次々とナナの当日の行動を言い当てていく。


15時のメッセージを送ったのはナナ。 キョウヤはナナがキララの携帯電話を隠し持っていて、 行動を共にしながらメッセージを送ったのだと推理する。

キョウヤは、ナナが今もキララの携帯電話を持っていると確信し、身体検査を行おうとするが……。


キララとカオリを殺したときの行動を、ほぼ見抜かれてしまったナナ。 メッセージを送った事実も言い当てられ、またまた絶体絶命。 ナナはこの危機をどう切り抜けるのか。 第9話では、ついにナナとキョウヤの対決に決着が!?
各話解説
第7話「ネクロマンサー PART2」
本当の「死体操作(ネクロマンシー)」の能力者は佐々木ユウカだった。シンジはすでに死んでおり、死体をユウカが操ることで、生きているように見せかけていたのだ。シンジを殺害し、ユウカをも亡きものにしようとしたナナの行動は、すべてユウカに筒抜け。ユウカによって操られたシンジに押さえつけられ、身動きが取れなくなったナナ。第7話でこのピンチをどう切り抜けるのか……。
ネクロマンサーからの逃亡
毒針を奪われた挙句、「怪力」の能力者・シンジに押さえつけられて絶体絶命のナナ。しかし、ピンチになってもなお、ナナは冷静に状況を分析し、ユウカに取り引きを持ちかける。

シンジが死んでいることをクラスメートに秘密にし、二人の邪魔はしない。 そして――シンジの魂が今、ユウカになんと囁きかけているのかを教える、と。


ユウカが自分を「人の心が読める能力者」だと信じていること・そして彼女がロマンチストであることを利用したのだ。 そしてユウカはナナの目論見通り、その取り引きに乗ってくる。 シンジの拘束から逃れたナナは、「心の声が聞こえる」フリをして、そのまま部屋から脱出。 逆転の策を練るべく考えたのは、まず「怪力」の持ち主であるシンジを無効化すること。


ナナの頭によぎったのは、 ユウカの部屋のベッド下で見つけたツネキチのネックレスだった。

そこから、ユウカが「ネクロマンシー」の能力を使うには、遺品や生前その人が触っていたものが必要なのではないかとナナは予測する。
死者の目を通してナナを追い詰めるユウカ
ユウカが大切に持っているネックレス。 シンジの遺品が入っているとにらんだナナはそれを狙うが、ユウカに操られたシンジの妨害もあって失敗。 次にナナは、闇に紛れてユウカを襲うことを考える。


しかし、ユウカたちの様子がおかしい。 暗い山の中のはずなのに、迷うことなく一直線にナナを追いかけてくるのだ。 疑問に思うナナの前に現れたのは、死して動く「ゾンビ」となった人々だった!


なぜか山には、学校の生徒や教師らの多くの死体が埋まっていた。 ユウカは、それら大量の死体をあやつり、さらに死人の一人が持つ「暗視」の能力を利用する事でナナの姿をとらえていたのだ!

死人の存在を委員会から聞かされておらず、困惑するナナ。

そんなナナをあざ笑うかのように、ゾンビが彼女を追い詰める。 山の中の小屋に逃げ込んだナナは、危うく小屋にいたゾンビに襲われかけたが、 朝日を浴びてゾンビたちが動けなくなったことでそれを回避。


だが、ユウカによって小屋の扉に鍵をかけられ、脱出経路を断たれてしまう……。


ユウカとシンジの本当の関係は……。
いよいよ、追い詰められたと思われたナナだったが、 次の夜にユウカが小屋を訪れたとき、そこに閉じ込めたはずの彼女の姿はなかった!

ナナはドアの鍵に細工をし、昼間のうちに小屋から出ていたのだ。 朝になるまで逃げ回り、シンジが朝日を浴びて動けなくなったところを見計らって、ユウカに襲いかかるナナ。


そして手にしたのは――ユウカの尻ポケットに入っていた、「テストの切れはし」だった。 ナナは前日、山でユウカに襲いかかったとき、無意識にネックレスよりも尻ポケットを守ろうとしたことから、そこに大切なものがあると見抜いていたのだ。

形勢逆転。 ナナは、シンジを連れたユウカを崖の上まで連れてきて、 彼女に小屋からの脱出のネタばらしをする。 そして、毒針のケースをユウカから取り戻した後、シンジの遺品である「テストの切れはし」を崖の下に落としたフリをした。


絶叫するユウカ。ナナは彼女に一つの推理を聞かせる。 シンジが死んだ日、一緒に映画館へ行ったのはユウカではない。 ユウカはただの“ストーカー”で、別の女とデートしたシンジを取り返そうと思い、映画館に火を付けた――。シンジを殺したのは紛れもなくユウカ自身だったのだ。


ユウカは、生前のシンジに嫌われて近付けなかった、だから遺品として手にできたのが「テストの切れはし」だけだったのではないのか。 推理を聞いてもなお現実から目を背けようとするユウカの背後にナナが迫る。 そして、ナナはためらうことなくユウカを毒針で葬り去る。

ユウカもシンジも動かなくなった崖の上。 ナナは、海に捨てるフリをした「テストの切れはし」を手に、自分の行動に疑問を抱く――。

死体を動かせるという能力を活用し、ナナをこれまでで一番追い詰めたユウカ。 しかし、ナナのほうが一枚も二枚も上手だった。 「人類の敵」を殺すというナナの目的は着実に果たされていく。 しかし、島にあった無数の死体は何だったのか? 謎が謎を呼ぶ『無能なナナ』。第8話では、キョウヤがナナを鋭くとらえる!?
各話解説
第6話「ネクロマンサー」
ツネキチが念写した、ナナがナナオを突き落としている写真がミチルに見つかった。これまでひた隠しにしてきた決定的瞬間を見られ、ナナはミチルに笑顔で迫る。“委員会”の報告ではミチルも決して善人ではない「人類の敵」。6話でナナの取った行動は――。
もしも死体が話せたのならば……
ミチルは手にした写真を素直にナナに返却した。いったい何の写真なのか、理解が追いついていないのだ。 素直に返してきたことで、すぐに殺すことは思い止まったナナ。 ツネキチの予知能力が衰えてしまったのだとミチルに伝え、事なきを得る。


ずっとツネキチのそばにいたことを不思議に思ったナナが問うと、ミチルはツネキチを生き返らせようとしていた、と語るのだった。

ツネキチの葬儀が行われた。 島には警察もなく、いざというときには軍も呼べるというがそれもないままの葬儀。 キョウヤは火葬に出す前に解剖をしたいと言い出す。


なるべく手がかりを与えたくないナナはそれを阻止しようとするが、キョウヤは止まらない。

ところが……。 突然、棺桶の蓋が開き、中から死んだはずのツネキチが起き上がってきた!


死体を操ることができる風間シンジ
「死体に直接聞いてみればいい」 そう言ったのは、風間シンジ。 「死体操作(ネクロマンシー)」の能力者だ。

シンジは死体を自在に操り、死体を通して周りを見ることも、記憶を引き出し持っていた能力を使うこともできると言い、ツネキチの死体を操る。

これ以上、勝手に動かれては困る。 慌てたナナは一芝居打ち、ツネキチの魂が苦しんでいると伝えると、その場はなんとか収まった。

死人の口を暴かれてはたまらない。 次にシンジを狙おうとしたナナは、ユウカと一緒にいるところを見て、二人同時に殺そうと考える。 そこにキョウヤが来たことで未遂に終わるが……。


本当のネクロマンシーの能力者・佐々木ユウカ
ユウカから、以前火事でシンジがケガをしたこと、そのシンジを「怪力」の能力で火災現場から助けたことを聞かされたナナは、そこで違和感を覚えていた。

しかし、そのことについて深く追求することなく、シンジを襲撃する。 学校への帰り道、側溝に落ちていた猫を放っておけず、キョウヤやユウカに助けを求めるというイレギュラーもあったが、特に追求されることはなかった。


そしてその夜。 ユウカを殺そうと部屋に侵入したナナは、そこで別の誰かに襲われる。

それは殺したはずのシンジだった。 ナナはずっと違和感を覚えていた。 外開きのはずの映画館の非常口を外から強引にこじ開けたというユウカの話。 猫を助けるために能力を使わなかったこと。

そう、ユウカは怪力の能力の持ち主ではない。 ユウカこそが、死体を操ることができるネクロマンシーの能力者だった。


そして、シンジはユウカの操る死体であり、すでにこの世の者ではなかったのだ……! ツネキチ以上に決定的瞬間を握られてしまったナナ。さらに怪力の能力で押さえつけられ、逃げることもできない。はたして打開策はあるのか。 緊迫の7話に続く!
各話解説
第5話「能力者VS.無能力者 PART2」
ナナがナナオを突き落とした決定的な念写写真を持っていたツネキチ。殺害現場さえ見られなければ、どんなに疑われてもかわすことができると考えていたナナにとって、それは衝撃的なものだった。しかし、今まで黙っていて、わざわざナナにだけ告げてきた理由とは――。5話では新たに現れた難敵に、ナナが頭脳を駆使して挑む。
自分のことしか考えない男・葉多平ツネキチ
キョウヤの疑惑をかわし、リーダーに就任するなど、順調にクラスを支配しつつあったナナ。そんなナナの前に現れた葉多平ツネキチは、未来を念写できる能力を持っていた。 しかも、ナナが自分を殺すところ、そしてナナオを突き落とした写真も持っていたのだ。


しかし、これまで黙っていたということは何か理由があるはず。 そう推理したナナは、まず慌てた様子を見せて、ツネキチの様子を探る。


予想通り、ツネキチは写真をネタにナナを脅迫しようとしていたのだ。 ツネキチに「なんでもする」と告げると、「彼女がいない」と言い出す。

ナナは従順なフリをして、ツネキチにマッサージをしたり、一晩彼の部屋で過ごすことを許諾。その夜、ツネキチの予知写真を見て衝撃を受ける。


絶対に予知写真の未来は変わらない
ツネキチが一晩で予知できる写真は5枚。 翌日目が覚めたとき、ツネキチが見つけたのは4枚。そう、1枚はナナが隠し持っていた。


ナナの胸元から、ナナが体育倉庫で死んでいる写真を見つけたツネキチは、結果的に自分は生き残ると確証。 ナナに10時に体育倉庫に来るようにと告げる。

運命なんて信じない。 未来は変えられる。 そう考えるナナは、10時前にツネキチを殺そうとするが、さまざまな条件が重なり、実行することができなかった。

そして、夜。 ナナは体育倉庫でツネキチを待ち伏せ、彼を写真の通りに襲おうとする。 しかし、予期していたツネキチの返り討ちに遭って、地面に組み敷かれてしまう……。


写真を逆手に取ったナナの行動力
自分を襲おうとしたツネキチに、毒針を刺したナナ。 ツネキチが見つけたナナの死の写真は、ツネキチが寝ている間に、ナナが自撮りをしたものだった。

つまり、ナナはツネキチに殺されることはないのだ。 自分は絶対に死なないと油断したツネキチに毒針を刺し、殺すことに成功したナナ。

しかし、そこにキョウヤとミチルが現れる。 ナナがツネキチから隠した本物の念写写真には、ツネキチを殺したあと、体育倉庫に現れるキョウヤとミチルの姿が写っていたのだ。

キョウヤは当然ナナを疑うが、ナナは恥ずかしい写真を撮られツネキチに脅されていたとキョウヤを煙に巻こうとする。


その後、ツネキチの念写写真を取り返そうとツネキチの部屋を訪れたナナは、そこでキョウヤと遭遇。ナナに対して、ナナが殺された風の写真はツネキチが念写した写真ではないのではないかという推理まで聞かせる。

やはり、キョウヤの推理力は危険だ。そう感じたナナは、さらに警戒を強くする。

自分の部屋に戻ったところで、念写写真が1枚足りないことに気付いたナナ。 慌てて体育倉庫に戻ると、そこにはナナがナナオを突き落とした写真を手にしたミチルがいた。

ナナはミチルに、笑顔で迫るが……。

ついに、決定的瞬間をミチルに見られてしまったナナ。 ツネキチに続き、ミチルもその手にかけるのか。 緊迫の続く6話では、さらに意外な能力者も登場!?
各話解説
第4話「ヒーリング」
キョウヤの能力を知ろうと罠にかけた結果、彼が「不老不死」であることがわかったナナ。しかし、キョウヤは爆発現場へといち早くやってきたナナへの疑いを深めてしまう。クラスメートたちに対し、自分は襲われたと主張するキョウヤをなんとかかわしたいナナは、4話でさらなる策を練る。
クラスのいじられっこ・犬飼ミチル
キョウヤを仕留め損なったナナが次なる策を考えていると、クラスメートの犬飼ミチルが近づいてくる。ナナがケガをしていたことに気付いたのだ。


ミチルの能力は「ヒーリング」。 自分の寿命を代償に傷口をなめることで、その傷を癒やすことができるという。


能力からして今後の討伐の邪魔になるかも知れないと考えたナナは、まずミチルの能力を詳しく調査するために彼女に近づいていく。

ミチルがもらったというラブレターがクラスメートのいたずらであることを見破り、落ち込む彼女を食堂に誘って元気づけたナナ。 そんな優しい態度に、ミチルはあっさりと心を開き、ヒーリング能力でできることをすべて語ってくれた。


一方キョウヤは、そんなナナの様子をずっと見張り続けていた。 女子寮に忍び込み、部屋の前に陣取るほどに。


キョウヤの疑惑を避けるため、ナナが取った行動は……。
しかし、そんなキョウヤの思惑をあざ笑うかのように、ナナが「人類の敵」に襲われる。 ナナは、ミチルを襲おうとする「人類の敵」の声を聞き、彼女の部屋を訪れミチルを助けようとしたのだ。


背中を刺されたナナの姿を見たキョウヤは、ナナが本当に襲われたのかと考え始める。

それが、ナナの策略だとも知らず――。 キョウヤの疑いは深い。 そして、ナナオの死やキョウヤが襲われた事実をこのまま隠し通すことも難しい。 そう考えたナナは、島に「人類の敵」が現れていることをわざと周知し、自分を被害者の枠に置くために自らの背を刺したのだ。


新リーダーに忍び寄る影
ナナが仮に自分で自分を刺したとしても、「人類の敵」=能力者であることが結びつかない限り、キョウヤはナナによる殺害の目的にたどり着けない。 ナナの想定通り、キョウヤは、ナナ=殺人者であるといくら考えてもその動機を考えたところで行き詰まってしまっていた。


そんな中クラスでは、ナナオが殺されたと知れ渡ったところで、ミチルが新リーダーにナナを推薦。ナナは推薦を受け、いなくなったナナオに代わりクラスの新リーダーとなった。 クラスを掌握し、今後はナナの思惑通りに事は進むはずだった。


ところが、ナナの前にクラスメートの葉多平ツネキチが現れる。 その手には、ナナが体育倉庫でツネキチを襲っている写真があった。

ツネキチは、未来を予知し、念写できる能力を持っていた。 半信半疑だったナナだが、彼に連れられていった食堂で、彼が撮った写真通りにざるそばを被ることになり、さらにはナナオを突き落とした写真を撮られていたことで、彼の能力を信じざるを得なくなる。


決定的証拠。 しかし、それをツネキチが今まで黙っていた理由とは――。 ナナは、ツネキチの目的を探ろうとしていく。 果たして5話では、予知能力通り、ナナはツネキチを襲うことになるのだろうか。
各話解説
第3話「能力者VS.無能力者」
「人類の敵」である能力者を葬るために島にやってきた柊ナナ。ナナオ、ヨウヘイと続けて殺害することに成功したナナは、慎重に事を進めようと考える。そこに介入してきたのが、同じときに転校してきた小野寺キョウヤだ。クラスメートと馴染むことなく、一匹狼のような彼のことを探るべく、3話でナナは彼に近づいたのだが……。
友達がほしい? 小野寺キョウヤ
転校して以来、クラスに馴染もうとしないキョウヤは、セイヤやモグオからも怪しまれていた。ナナはキョウヤに近づき、彼の素性を探ろうとするが、わかったのは使われていない校務員室で、野良猫にミルクをあげていることくらい。

ぶっきらぼうかと思えば、優しい面もある。 そのギャップを不思議に思うナナに、キョウヤは突然言う。


「俺の友達になってくれ」

言葉の意味が理解できないまま、キョウヤの部屋に招かれたナナ。 そこで見たのは、多数の書籍と釣具や模造刀、そして「21日まで」と書かれた付箋が貼ってあるトマト……。


ナナはその部屋からキョウヤの人間性を読み解くことができず困惑する。 「友達と言えばゲーム」 「どうしたら友達ができる?」

立て続けに質問をされるも、その真意をつかめない。 「オラついている」と指摘すると、その意味を知りたがるキョウヤに、ますますナナの困惑は深まっていく。


そんなナナにキョウヤは「気になっていることがあるとつい夢中になってしまう」のだと言う。だから、ナナオのことが気になっているのだとも。

キョウヤが疑っているのはナナ……!?
実は、キョウヤの妹が以前この島にやってきていたのだ。しかし、それ以来音信不通になっていて、キョウヤはそれを調べるためにこの島を訪れたのだ。

ナナオが行方不明になっても、誰も本気で探そうとしていない。 訓練と言ってもたいしたことをしていない。 キョウヤはそれが不可解で気になっているのだ。 ナナが素知らぬふりをしてキョウヤの言葉ををかわそうとすると、彼はあるものをナナに突きつける。


それは、ナナオがしていた腕時計だった……! キョウヤはナナがナナオを突き落とした崖の途中で、壊れた腕時計を見つけたのだ。 腕時計がなぜそこにあったのか。 「人類の敵」の仕業ではないのではないか。

冷静に分析していくキョウヤを「危険分子である」と感じたナナは、彼の能力を探り、そして殺そうと考える。
キョウヤの能力は「不老不死」
島にいる能力者たちが「人類の敵」であることを知っているのは、島の中でナナだけ。 たとえ殺人が起きたとしても、動機は誰にもわからない。 絶対的に有利な状況にいると確信するナナ。

キョウヤの部屋の様子から、彼がにおいがわからないと分析したナナは、それを利用する。 彼が入り浸る校務員室にガスを充満させ、猫のミルクを温めようとしたキョウヤが、ガスのにおいに気づかずにコンロのコックをひねり爆発するよう仕掛けたのだ。


校務員室から炎に包まれて飛び出してきたキョウヤ。 しかし、彼は無傷だった!

キョウヤの能力とは「不老不死」だったのだ! 誰よりも先に駆けつけたナナを訝しがり、疑問をぶつけていくキョウヤ。

「なぜ一番に駆けつけられた?」 「炎に巻かれているのが俺だとなぜわかった?」

想定外のことに驚きを顔に出しながらも、ナナは努めて冷静に、自分を取り戻していく。 キョウヤは、ナナに自身の能力の代償を「心に思い浮かべた」と言い、心を読める能力で読みとるよう伝えてくる。ナナはそれに笑顔で切り返したのだった。


結果としてキョウヤの疑いを深めてしまう結果となったこの作戦。 ナナはキョウヤを騙し続けることができるのか。 4話では、ナナはさらなる策を練ることになる――。
各話解説
第2話「時間遡行」
人々を脅かす「人類の敵」とは、孤島の学園に集められた能力者たちのことだった。転校生の柊ナナは、人類のために彼らを殺す使命を受けて、島にやってきた“無能”な少女なのだ。第1話から衝撃的な謎が次々と明らかになったTVアニメ『無能なナナ』。1話でクラスメートのナナオを崖から突き落としたナナが次に狙うのは……? 2話でのポイントを改めて振り返る。
時間を遡れる能力を持つ渋沢ヨウヘイ
能力者こそが「人類の敵」。これは、世界でもごく一部の人間だけが知っている事実。 ナナは「委員会」という組織から密命を受け、「人類の敵」を始末するべく島へとやってきたのだ。


力を持たない“無能”なナナが、能力者たちに対抗するためには、彼らの力を詳しく知っておかねばならない。ナナは、クラスメートたちに少しずつ探りを入れ、彼らの真の能力を知っていこうとする。


そんなナナが第2話で目を付けたのが渋沢ヨウヘイ。 クラスの中で存在感を放つモグオでさえも一目置く「時間を止める能力」を持つという能力者だ。

しかし、彼に近づいたナナは、彼の本当の能力が「時間遡行」であると知る。 しかもヨウヘイは、自分を絶対の正義だと疑わず、あらゆる悪を駆逐し、今の世界を作り直そうと考えるような人物だった。

時間遡行の能力でヨウヘイにナナオを突き落としたことがバレてはたまらない。 そう考えたナナだったが――。 そこに小野寺キョウヤが現れる。 彼はヨウヘイに、「中島の失踪の原因を調べてほしい」と告げる。

キョウヤがナナオの失踪を調査する目的とは?
ナナオと親しかったとは思えないキョウヤが、なぜ彼の失踪の原因を知ろうとするのか。 その理由はナナにはつかめない。 それどころか、キョウヤはナナの髪に触るなど、奇異な行動を取るばかり。

キョウヤの心の声が聞こえているかのように振る舞うことで、ナナはヨウヘイからキョウヤへの警戒を引き出すことに成功。キョウヤもそれ以上の追求はしてこなかった。


しかし、キョウヤの言葉は、ヨウヘイの心に「失踪当日のナナオの様子を探ろう」という思いを芽生えさせる。 ヨウヘイは何度も過去に遡りナナオの足取りを追っていこうとするのだ。

このままでは、いずれ自分が突き落としたことがバレる。 とはいえ、ヨウヘイの行動を止めることもできない。

万事休すかと思われたナナだったが、ヨウヘイの能力も万能ではなかった。 能力を使う代償として体力を消耗する。 そして、戻った先で誰かと目が合うと、強制的に現在に戻されてしまうのだ。


ナナは、当日の自分を信じるしかないと覚悟をして、崖にたどりついたヨウヘイを見守るが……。
正義感を逆手に取り、ナナはヨウヘイを罠にかける
ナナオを崖に突き落とす前、ヨウヘイの気配を察したナナは、彼と目を合わせ、彼が消えたことを確認してからナナオを突き落としていた。

その犯行がバレることはなかったのだ! そして、ナナは策を練る。 ヨウヘイを葬り去るために。 夜になってからナナオが人類の敵に襲われたとウソをついて、ヨウヘイを呼び出したナナ。 ヨウヘイはその言葉を信じ、演習場近くの森で、襲われる前のナナオに声をかけようと過去へと戻る。

それこそが、ナナの罠だとも知らずに。 ナナオが失踪した当日、演習場のある湖はまだ凍っていない。 湖は今朝、セイヤの能力によって氷付けにされていた。

ナナは凍った湖の一部に土をかけて地面であるように見せかけ、そこにヨウヘイを呼び出したのだ。 過去に戻れば、ヨウヘイは氷付けにされる前の湖の上に現れる。 そのまま池に落ち、体力を消耗したまま溺れ、翌日の朝には氷付けにされる、という算段だ。


ナナの目論見通り、ヨウヘイは戻ってこなかった。 ナナは素知らぬふりをして、いつも通りに学校へと通う。


二人ものクラスメートが失踪し、果たしてナナは自分が犯人であることを隠し通せるのか。 ナナをマークしているかのようなキョウヤの視線も気になる。 3話ではさらに意外な出来事が……!?
各話解説
第1話「無能力」
現在放送中のTVアニメ『無能なナナ』。舞台となるのは絶海の孤島にあるとある学園。“人類の敵”と呼ばれる謎の存在を倒すために集められた少年少女たちが、続発する怪事件に巻き込まれてしまうという物語なのだが……。実は、1話から視聴者を驚かせる衝撃の出来事が続く。ここでは怒濤の展開を冷静に振り返るべく、ネタバレも交えて1話の状況を分析していく。
転校生は、自称「空気の読めない」女の子
瞬間移動や、炎、氷を発生させることができるなど、さまざまな能力を持った子どもたちが集められた孤島のエリート学園。中島ナナオは、クラスメート達からは「無能」と呼ばれ、からかわれていた。







そんなある日、学園に小野寺キョウヤと柊ナナというふたりの転校生がやってくる。能力を明かさないキョウヤに対し、ナナは明るく「人の心が読める」と宣言。そして次の瞬間、「ちょっと空気は読めません!」と高らかに言い放つ。


「人の心が読める」と言うだけあって、ナナはナナオがいじめられていること、ナナオがネコの世話をしていることなどをズバリと言い当てていく。さらに、ナナはナナオのことを「優しい」と言い、彼こそがクラスのリーダーにふさわしいと言い出す。


しかし、ナナオにはその気がなかった。ナナオは家庭でも一番の無能と呼ばれており、父親になんとか認められたくて島にやってきたものの、「リーダーになってみんなを守りたい」と気負ったあいさつをした結果、クラスメートから嘲笑されてしまっていたのだ。

ナナの励ましでリーダーになったナナオ
ナナから頼まれて島を案内する中、崖の上で突如ナナが突風に襲われるなど、だんだんと不穏な出来事が起き始める。一方で、ナナオはあまりにも自分をリーダーに押したがるナナの態度に、機嫌を損ねてしまう。


翌日。リーダーを決めるバトルには参加していなかったナナオ。しかし、モグオが誤って炎をクラスメートに放ってしまった際、思わず身体が動き、気がつけばクラスメートをモグオの炎からかばっていた。ナナオの能力は、「人の能力を無効化できる」もので、モグオの炎を消し飛ばしたのだ。


その勇気ある行動でクラスメートからも一目置かれ、リーダーになったナナオ。ナナからも祝福され、これからも彼女と一緒に頑張っていきたいと安らかな気持ちで握手を交わす。

ところが……!

ナナオはナナから強く腕を引かれ、崖下へと落下。 必死にぶら下がっていたロープをつかんだものの……。 眼前にあったのは、酷薄とした目で自分を見下ろすナナの姿だった……!


人類の敵の正体は生徒たち!? その抹殺にやってきたのがナナ!
ナナは、ぶら下がるナナオにはまったくかまわず、彼に告げる。 ナナオの境遇を推理して近づき、能力の詳細を知ろうとしていたこと。 そして、「どうしたら殺せるのか」を考え続けていたことを。 そう、ナナには心を読める能力などなかったのだ!


ナナは呆然とするナナオに告げる。 「お前たちこそが、人類の敵だからだ」 と。

“人類の敵”とは能力を持つ者のことであり、それを抹殺することがナナの目的だった。 ナナオは将来、人類の敵の統率者となる可能性があるため、最初に狙われた。 「人類のために、死んでください」

ナナオが崖下へと落ちていくのを見送ったナナは、手にした携帯端末に目をやる。 そこには、ナナオの名前と「推定殺害人数」が表示されていた。


その端末をナナに渡したのは誰なのか? ナナは何者の指示で島にやってきたのか? ナナオを主人公と思わせつつ、1話から大どんでん返しをくらわせてくれた『無能なナナ』。 謎めいた世界観と、知略を巡らせた駆け引きから、目が離せなくなる。